日本国内の全ての土地、建物は誰かの所有物となっています。どこのどんな場所でもきちんと管理されているのが日本という国なのです。
最近ふと感じたのが、どこまで調べる事が出来るのかな?ということ。以前、渋谷区代々木の非常に狭い土地の所有者を調べてくれという依頼がありました。勿論、不動産の登記簿謄本(現在事項証明書)にははっきりと所有者が記されていました。
昭和○○年売買で取得。所有者の名前はインドの方のようでした。所有者の住所は横浜でしたが町名などは当時のままで更新されていなかったので今の住所と昔の住所と同定させることから始まります。横浜でも海岸に近い場所で現在は大きなビルが経っており、勿論所有者は住んでいませんでした。
その後色々と調べていくうちにかなり昔にこの辺では輸入された繊維、生地の交易が盛んだったという事や、一緒に仕事をした事があり、面識のありそうな人物を探し出す事に成功しました。しかしながら所有者自体は外国人であり年齢的にも生きているかどうか?という事で結局は所有者まで辿り着く事ができませんでした。インドの方という事は確かなようでしたが、インドのどこにいるのかさえ分かりませんから、そこまでで調査は中断しました。固定資産税などはどうなっているんでしょうかね?昨年のニュースでは所有者と連絡が取れない土地が九州に匹敵する面積があると言う話もありましたよね。連絡が取れなくて困っている人が大勢居ると言うことです。
次に疑問に思うのが、土地の公図についてです。土地というものは非常に細かく分かれていて、難解なものになっています。はっきりと地番が分からないと、上物の本来の土地と同定できない場合があります。今はブルーマップというものがありますし、他にも色々と情報を得られる手段がありますから昔よりは探しやすいものだと思います。
しかし、ブルーマップや、公図が提供されていない土地もあります。それは人が住んでいない土地、広大な国立公園などです。私は図書館が好きなのでよく国会図書館に行って、調査に必要な昔の地図などを見てくる事があるのですが、ふとした時に大自然の土地ってどういう風になっているのか見てみると、等高線ばかりの地図になっていました。しかし、現実にはそこには色々な建物があり、誰かしらの所有物として管理され、営業し、利益も得ている所があるのです。
有名な所では富士山山頂があります。ここは国と浅間神社側で裁判があり、一度は国有地として編入されていましたが8号目以上の土地は浅間神社の所有物として1974年(昭和49年)に最高裁判所で浅間神社側の勝訴が確定されています。国は富士山は国民のシンボルであり、国民感情に反するという事を反証していました。浅間神社側は宗教活動や信仰に必要であるとして訴えた模様です。富士山の土地は静岡県側、山梨県側で土地表記が無い部分だったらしいですね。つまりよく分からない場所だったということになります。
ということは富士山の土地は登記されているということなので一度ブルーマップなり、公図でどうなっているのか確認したいですね。
※富士山頂は明確な境界線が引かれていないようです。なにやら県同士の争いを避けるためだとか、、、だから山頂にかんしては登記されていない模様です。